首の横シワにミラクルL注射

ミラクルL注射とは

　PCL（ポリカプロラクトン）を主成分とする注入剤です。元々手術で体内を縫う時の糸として使われている成分なので安全です。
皮膚内に注入する事で注入部のコラーゲン生成を促進します。コラーゲンは真皮の約70％を構成する成分で、加齢や紫外線により量と質が低下します。コラーゲンが生成されると皮膚に厚みとハリがでて、シワがつきづらく、目立たなくなるという仕組みです。
PCL自体は、体内の縫合糸と同様に一年以上かけて吸収されますが、注入をきっかけに新たに作られたコラーゲンは自身の財産となります。

諸外国での医療機器承認として、欧州でCEマークを取得し、米国でFDA（米国食品医薬品局）の承認を受けています。

ミラクルL注射の効果と他治療との比較

皮膚のコラーゲン生成を促進する事でハリや厚みをもたせ、シワを改善します。コラーゲンが作られるのには時間がかかるため、徐々にハリがでてきて注入1-2か月後に効果を実感して頂けます。

<ヒアルロン酸注射との比較>
しわの治療ではヒアルロン酸注射が有名ですが、ヒアルロン酸は注入部にボリュームを持たせ外観の輪郭や凹みを整えるもののコラーゲン生成効果は持たないため、「皮膚そのものの改善効果は持たないが膨らませるのにうってつけ」です。深めのしわではボリュームを皮下から底上げする必要があるためヒアルロン酸、薄い皮膚の小～中程度のシワは皮膚そのものを鍛えたいためミラクルＬなどコラーゲン生成効果を持つものが適しています。

<スネコス注射との比較>
結果的に皮膚のコラーゲン生成を促進するという観点ではスネコスもミラクルLも共通です。違いは薬剤の柔らかさで、ミラクルＬは非常にサラサラとしており(吸収性縫合糸で使われていたPCLを均一にサラサラに溶解配合できた事がミラクルLの製造技術的な強みです)、首など薄い皮膚のデリケートなシワにはミラクルＬが適しています。スネコスはもう少し皮膚に厚みがある目尻などの治療に選ぶ事が多いです。また、スネコスは標準で３回の治療を必要としますがミラクルＬは標準で1-2回です。

<ミラクルHとの比較>
同社の製品にミラクルHがあります。こちらはミラクルLにヒアルロン酸を足したものです。ボリューム感は出やすいですが同じ注入量であればPCLの量はミラクルLの方が多いので、当院ではシワそのものを改善するという治療コンセプトからミラクルLを採用しています。

ミラクルL注射の治療間隔と回数

施術回数は1-2回です。2回目を打つ場合は4週間以上あけて施術します。コラーゲンが作られた後も加齢や紫外線による皮膚の老化は進んでいくため、効果が永久にとはいきませんが、作られたコラーゲンは自身の財産となります。繰り返し治療を希望される場合でも約1年～１年半後に1回と考えて頂くとよいでしょう。
シワがかなり深い方は、ヒアルロン酸による底上げなど他治療の併用が有効な場合があります。

治療の流れ

極細の針を使い注入しますので痛みはそこまでなく麻酔は不要ですがご希望があれば麻酔クリームを塗布(別途1650円)致します。シワの部分に複数個所に分けて注入を行います。施術時間は10分程度です。

ダウンタイムとリスク

注入直後は注入部位の赤み、膨らみがみられますが翌日には解消します。注射ですので皮下出血のリスクがあり、その場合自然に吸収されるのをお待ちください。翌日以降カバーメイクは可能です。数日以降に稀にかゆみなどを生じる場合がありますが、その場合は掻かずにご連絡下さい。

メイク、洗顔、入浴

洗顔、入浴は当日から可能です。メイクは注入部位以外は当日から可能、注入部位は翌日から可能です。

施術を避ける箇所、受けられない方

妊娠中の方、治療部位に傷や感染症、皮膚炎のある方
PCLにアレルギーの既往のある方

※本治療は自由診療です。
日医薬品医療機器等法上の承認：国内未承認、欧州安全基準適合「CEマーク」承認、FDA（米国食品医薬品局）承認
医薬品医療機器等法上に基づき、当院の医師が国内販売代理店より個人輸入の手続きで入手した医薬品を使用します。国内においては、他の同一の性能を有する承認品はありません。個人輸入において注意すべき医薬品等について詳しくはこちらをご覧ください。諸外国で重篤な安全性情報の報告はありません。