イソトレチノインとは?効果・副作用・治療期間・飲み方を皮膚科医が解説
先に結論|イソトレチノインについて知っておきたいこと
イソトレチノインは、皮脂腺を縮小させて皮脂分泌を大きく抑え、毛穴の詰まりと炎症にも働きかける、ビタミンA誘導体の飲み薬です。海外では、重症ニキビ、瘢痕を残すおそれがあるニキビ、一般的な治療で十分に改善しないニキビなどに使用されています。
一方で、誰にでも気軽に処方できる薬ではありません。特に妊娠中の服用は胎児へ重大な影響を及ぼす危険があるため厳禁です。治療中は口唇や皮膚の乾燥が起こりやすく、肝機能や脂質の変化を確認するため、診察と血液検査を受けながら使用する必要があります。
| 知りたいこと | 要点 |
|---|---|
| どのような薬? | 皮脂分泌、毛穴の詰まり、炎症へ複合的に作用する内服薬 |
| 主な対象 | 重症・難治性・再発性のニキビ、瘢痕を残すリスクが高いニキビ |
| 効果はいつから? | 早い方では1~2か月で皮脂や新生ニキビの減少を自覚するが個人差がある |
| 治療期間 | 数か月以上。症状、体重、用量、反応、副作用を見ながら決める |
| よくある副作用 | 口唇・皮膚・眼・鼻粘膜などの乾燥 |
| 検査 | 治療前および治療中に、肝機能や脂質などを確認する |
| 妊娠 | 妊娠中は服用不可。治療前後を含め厳格な妊娠回避が必要 |
| 日本での扱い | ニキビ治療薬として国内未承認であり、自由診療 |
このページでは「効く薬」という一面だけを強調せず、治療の適応、安全管理、限界まで含めて詳しく解説します。
目次
保険診療で改善しにくいニキビを、皮膚科の管理下で治療
イソトレチノインは、皮脂分泌の抑制、毛穴の詰まりの改善、炎症の抑制などを通して、繰り返すニキビや重症の炎症性ニキビを改善へ導く内服薬です。
一般的な塗り薬や抗菌薬などによる治療を続けても十分な改善が得られない方、いったん良くなっても再発を繰り返す方、ニキビ跡が増える前に炎症をしっかり抑えたい方にとって、治療選択肢の一つになります。
いしだ皮フ科・美容皮膚科では、ニキビの状態、これまでの治療歴、体重、持病、服用中の薬などを確認したうえで適応を判断します。治療中は定期的な診察と血液検査を行い、効果と副作用の両方を確認しながら内服量を調整します。
※イソトレチノインは、日本ではニキビ治療薬として承認されていないため、自由診療となります。
このような方にご相談いただいています
- 塗り薬や抗菌薬を使用しても改善しにくい
- 赤く腫れたニキビや膿を伴うニキビを繰り返す
- 顔だけでなく、背中や胸にもニキビが多い
- 皮脂分泌が多く、毛穴が詰まりやすい
- 治療をやめるとすぐに再発する
- ニキビ跡が増える前に炎症を抑えたい
- これまでの治療を見直し、皮膚科医の管理下で治療したい
ニキビに見えても、毛包炎、酒さ、口囲皮膚炎など別の疾患が隠れている場合があります。まずは診察で状態を確認し、イソトレチノインが適しているかを判断することが大切です。
イソトレチノインを服用できない方・開始前に相談が必要な方
ここに該当する方は、自己判断で服用を開始しないでください。「原則として服用できない場合」と「診察・検査を行ったうえで慎重に判断する場合」は異なります。
持病、処方薬、市販薬、サプリメント、アレルギーを初診時にすべてお知らせください。
原則として服用できない方
- 妊娠中、妊娠している可能性がある方、近く妊娠を希望している方
- 授乳中の方
- イソトレチノインまたは処方製剤の成分でアレルギーを起こしたことがある方
- ビタミンA過剰症の方
- テトラサイクリン系抗菌薬を服用中で、休薬・変更ができない方
- 医師の指示に沿った避妊、妊娠確認、定期診察、採血を行えない方
処方製剤によって添加物が異なります。大豆・ピーナッツ・パラベンなどのアレルギーがある方は、薬の成分確認が必要なため必ずお申し出ください。
診察と検査により慎重に判断する方
| 該当する状態 | 確認する理由 |
|---|---|
| 成長期で身長が伸びている方 | 骨への影響を考慮する必要があるため |
| 肝機能障害、肝疾患のある方 | 肝機能値が変化する可能性があるため |
| 中性脂肪・コレステロールが高い方 | 脂質値がさらに上昇する可能性があるため |
| 精神疾患の治療中、または既往がある方 | 現在の症状と治療状況を確認し、慎重に経過を見るため |
| 心疾患、糖尿病、肥満などがある方 | 全身状態や検査値を含めて安全性を評価するため |
| 強いドライアイや眼科疾患がある方 | 眼の乾燥などが悪化する可能性があるため |
| レーシックなどの眼科手術、抜歯、手術、美容施術を予定している方 | 治療時期や皮膚・粘膜の状態を調整する必要があるため |
年齢だけで一律に判断するのではなく、成長の状況や治療の必要性を確認します。未成年の方には保護者の同意も必要です。
服用中の薬によっては開始前の調整が必要です
- ミノサイクリン、ドキシサイクリンなどのテトラサイクリン系抗菌薬
- ビタミンA製剤、ビタミンAを含むサプリメントや肝油
- フェニトインなど骨への影響を考慮する薬
- プレドニゾロンなど全身性ステロイド薬
これらを服用していても、すべての方が将来にわたりイソトレチノインを使用できないという意味ではありません。処方医への確認、薬の変更や休薬期間の調整が必要になることがあります。吸入ステロイドやステロイド外用薬なども含め、自己判断で中止せず、薬の名称が分かるものをご持参ください。
当院のイソトレチノイン治療の特徴
診断から副作用管理まで一貫して対応
イソトレチノインは高い治療効果が期待できる一方、妊娠に関する重大な注意事項があり、乾燥症状や血液検査値の変化が生じる可能性もあります。当院では、治療開始前の診察、内服量の設定、定期採血、乾燥などの皮膚症状への対応まで一貫して行います。
症状・体重・経過を見ながら内服量を調整
同じニキビでも、炎症の程度、皮脂量、体重、年齢、これまでの治療歴は患者様ごとに異なります。当院では一律の内服量ではなく、診察時の状態と副作用を確認しながら治療計画を立てます。
ニキビが落ち着いた後のニキビ跡治療にも対応
イソトレチノインは、主に現在進行しているニキビを抑えるための治療です。すでに生じている赤み、色素沈着、凹みなどのニキビ跡は、別の治療が必要になることがあります。当院では、ニキビの炎症を落ち着かせた後の肌状態に応じて、ニキビ跡治療もご提案できます。
東大宮駅東口から徒歩1分
当院は、JR宇都宮線「東大宮駅」東口から徒歩1分です。さいたま市、大宮エリアをはじめ、埼玉県内や東京都内からも通院しやすい立地です。
イソトレチノインとは
イソトレチノインは、ビタミンA誘導体に分類される内服薬です。海外では重症ニキビなどの治療に広く用いられていますが、日本ではニキビ治療薬として未承認のため、当院では自由診療として処方しています。
ニキビは、皮脂分泌の増加、毛穴の詰まり、毛包内環境の変化、炎症などが複雑に関わって生じます。イソトレチノインは、これらの要因に複数の方向から働きかける点が特徴です。
「イソトレチノイン」は有効成分の一般名です。海外には複数の商品名がありますが、このページでは患者様が薬の本質を正しく理解できるよう、原則として成分名である「イソトレチノイン」に表記を統一します。
ニキビができる仕組み
ニキビは、単に「皮脂が多い」だけで起こるわけではありません。主に次の要素が重なって発生します。
- ホルモンなどの影響で皮脂分泌が増える
- 毛穴の出口で角化が乱れ、皮脂と角質がたまる
- 面皰と呼ばれる毛穴詰まりが形成される
- 毛包内の環境が変化し、ニキビに関連する菌が増えやすくなる
- 免疫反応によって赤み、腫れ、膿などの炎症が生じる
- 炎症が深部に及ぶと、色素沈着や凹んだニキビ跡を残すことがある
一般的な外用薬は、毛穴詰まりや炎症など特定の要素を改善します。イソトレチノインは、とくに皮脂腺へ強く作用しながら複数の発症要因へ働きかける点が、他の治療との大きな違いです。

期待できる作用

皮脂分泌を抑える
皮脂腺に作用して皮脂分泌を抑制します。皮脂が減ることで、ニキビが形成されにくい皮膚環境を目指します。
毛穴の詰まりを改善する
毛穴の出口に角質がたまる状態を改善し、面皰(白ニキビ・黒ニキビ)が生じにくくなるよう働きかけます。
ニキビの炎症を抑える
ニキビの赤みや腫れに関わる炎症反応を抑える作用が期待できます。
ニキビが繰り返されにくい状態を目指す
一定期間、適切な量を継続して服用することで、治療終了後の再発を抑えられる可能性があります。ただし、治療効果や再発の有無には個人差があります。
どのようなニキビに検討する治療か
海外の診療指針では、重症ニキビだけでなく、標準治療で十分に改善しないニキビ、瘢痕を残すおそれがあるニキビ、心理社会的な負担が大きいニキビなども検討対象となります。ただし、日本では未承認治療であるため、国内の保険診療で使用できる治療を含め、利益とリスクを比較して判断することが重要です。
重症の炎症性ニキビ
赤く大きく腫れたニキビ、膿を伴うニキビ、硬いしこりを形成するニキビが多数みられる場合です。炎症が深いほど凹んだ瘢痕を残す可能性が高くなるため、現在の炎症を抑えることが将来のニキビ跡予防にもつながります。
一般的な治療で十分に改善しない・再発を繰り返すニキビ
アダパレン、過酸化ベンゾイル、配合外用薬、抗菌薬などを適切に使用しても、改善が乏しい、または再発を繰り返す場合です。ただし「塗り薬が効かなかった」と思っていても、使用量、塗る範囲、治療期間が不十分だったケースがあります。治療歴を確認してから適応を判断します。
ニキビ跡を残すリスクが高いニキビ
同じ場所に強い炎症を繰り返す方、家族に重症ニキビや瘢痕のある方、すでに凹んだニキビ跡が増え始めている方では、炎症を早期に抑える意義が大きくなります。イソトレチノインは既存の凹みを埋める薬ではありませんが、新たな瘢痕形成を減らす目的で検討されることがあります。
心理的・社会的負担が大きいニキビ
ニキビの個数だけで重症度を判断することはできません。学校、仕事、対人関係、写真撮影などへの影響が大きい場合も、患者様の負担を含めて治療方法を考えます。
保険診療のニキビ治療との違い
イソトレチノインと保険診療は、単純な優劣で比較するものではありません。軽症から中等症では、国内承認薬を中心とする保険診療が基本です。一方、重症、難治性、再発性などでは、診察のうえイソトレチノインを選択肢に加える場合があります。
| 比較項目 | 保険診療で用いる主な治療 | イソトレチノイン |
|---|---|---|
| 主な薬 | 過酸化ベンゾイル、アダパレン、配合薬、抗菌薬など | ビタミンA誘導体の内服薬 |
| 主な働き | 毛穴詰まりや炎症を改善する | 皮脂腺、角化、炎症などへ複合的に作用する |
| 向いている状態 | 軽症から重症まで幅広く、通常は最初に検討 | 重症、難治性、再発性、瘢痕リスクが高い場合など |
| 治療後の維持 | 維持療法を続けることが多い | 終了後も寛解が続く場合があるが再発もある |
| 妊娠上の注意 | 薬剤ごとに異なる | 妊娠中は厳禁で、厳格な管理が必要 |
| 検査 | 多くの外用治療では採血不要 | 肝機能・脂質などの確認が必要 |
| 費用 | 保険適用の範囲内 | 国内未承認のため自由診療 |
当院では、最初から自費治療だけを勧めるのではなく、ニキビの種類とこれまでの治療内容を確認します。保険診療で改善が見込める場合には、ニキビ・ニキビ跡治療の総合ページで紹介している治療を含めた選択肢をご説明します。
イソトレチノインの効果はいつから現れる?
検索で最も多い疑問の一つが「いつから効くのか」です。効果の現れ方には個人差があり、用量、体重、重症度、服薬状況によっても変わります。
| 時期 | 起こり得る変化 |
|---|---|
| 開始~数週間 | 唇や皮膚の乾燥が先に現れることがある。一時的に炎症が増える場合もある |
| 1~2か月 | 皮脂の減少、新しいニキビの減少を感じ始める方がいる |
| 2~4か月 | 炎症性ニキビが徐々に減り、改善が明確になることがある |
| 4~6か月以降 | 新しいニキビができにくい状態を目指し、終了時期を検討する |
これは標準的なイメージであり、全員が同じ経過をたどるわけではありません。短期間で新しいニキビが減っても、自己判断で中止すると十分な治療にならない可能性があります。一方、副作用が強い場合に無理をして同じ量を続ける必要もありません。診察で効果と副作用のバランスを確認します。

イソトレチノインの初期悪化
内服開始後、ニキビが一時的に増えたり、もともとあった面皰が炎症を起こしたりすることがあります。一般に「初期悪化」と呼ばれますが、すべての患者様に生じるわけではありません。
初期悪化が起こったときの考え方
- 自己判断で一度に内服量を増やさない
- ニキビを押し出したり、強くこすったりしない
- 刺激の強いピーリング剤やスクラブを追加しない
- 急激な悪化、強い痛み、発熱などがあれば早めに受診する
- 必要に応じて用量調整や補助治療を検討する
「悪化したから効いている」と決めつけることも、「自分には合わない」とすぐに判断することも適切ではありません。もとの重症度、開始用量、悪化の程度を診察で評価します。

飲み方・用量・治療期間
服用するタイミング
製剤によって食事の影響が異なる可能性があるため、当院が処方する製剤について医師から指示された方法で服用してください。毎日ほぼ同じ時間帯に服用すると、飲み忘れを防ぎやすくなります。
服用量の違い
「何mgが一番効くか」ではなく、体重に対する1日量と、効果・副作用のバランスで考えます。同じ20mgでも、体重40kgの方と80kgの方では体重当たりの用量が異なります。
低用量は乾燥などを調整しやすい一方、目標とする改善まで長くかかる場合があります。用量を増やすと早く改善する可能性がありますが、副作用も増える傾向があります。当院では症状、体重、検査結果、生活上許容できる乾燥の程度などを確認して調整します。

治療期間
標準的には6か月連続して内服しますが、次の項目を総合して終了時期を変更することがあります。
- 新しい炎症性ニキビが出ているか
- どの程度の期間、良い状態を維持できているか
- 体重当たりの用量と総内服量
- 乾燥や検査値異常などの副作用
- 過去の再発歴
- 女性ではホルモン要因など、再発に関わる背景
累積投与量と再発率
累積投与量とは、治療期間中に服用したイソトレチノインの総量を体重で割った値です。従来は、一定の累積投与量を目標にする考え方が広く用いられてきました。一方、近年は数値だけで終了を決めず、ニキビが十分に落ち着いた期間、重症度、副作用、再発リスクなども合わせて個別化する考え方があります。
たとえば、同じ累積投与量を目標にしても、少量を長期間服用する方法と、多めの量を比較的短期間服用する方法があります。どちらが適するかは患者様ごとに異なります。
再発しやすさに関係する可能性がある要素
- 治療開始時のニキビが重症である
- 若年である
- 顔だけでなく体幹にもニキビが多い
- 治療終了時にも新しいニキビが出ている
- 服用期間または総内服量が十分でない
- ホルモンなど再発要因が残っている
再発は「治療失敗」とは限りません。少数のニキビであれば外用薬による維持治療で管理できることがあります。再び強い炎症を繰り返す場合には、原因を再評価し、再治療を含めて検討します。
研究データから見る効果と再発
イソトレチノインは高い改善効果が期待できる一方、治療後の経過には個人差があります。以下は代表的な研究結果です。研究ごとに対象患者、用量、治療期間、再発の定義が異なるため、数字をそのまま全ての患者様に当てはめることはできません。
低用量20mgで中等度ニキビ638名を治療した研究
中等度ニキビ患者638名に、イソトレチノイン20mg/日(約0.3~0.4mg/kg/日)を6か月間投与した前向き研究では、治療終了時に「良好な結果」が得られた割合は、12~20歳で94.8%、21~35歳で92.6%でした。4年間の追跡期間中に再発した割合は、それぞれ3.9%、5.9%でした。
血液検査では、基準上限より最大20%高い脂質上昇が4.2%、基準上限の2倍未満の肝機能検査異常が4.8%に認められました。ただし、この研究は比較対照群を置かない非盲検研究です。「94.8%が治癒した」と断定するのではなく、この条件下で良好な治療成績が報告された、と理解する必要があります。1
1クール終了後、179名を3年間追跡した研究
イソトレチノインを1クール服用した179名の診療記録を3年間追跡した研究では、35%は再発がなく、16%は外用薬、27%は内服抗菌薬、23%はイソトレチノインの再投与が必要でした(端数処理により合計は100%になりません)。2
この結果は、再発しても全員が再びイソトレチノインを必要とするわけではなく、再発の程度によって外用薬やほかの治療で管理できる場合があることを示しています。
服用量と再発率を検討した長期追跡研究
重症ニキビ患者88名を10年間追跡した研究では、0.5mg/kg/日で治療した群の再発率は39%、1mg/kg/日で治療した群は22%でした。また、累積投与量が120mg/kg未満だった患者の再発率は82%、120mg/kg以上では30%と報告されています。3
近年の19,907名を対象とした研究では累積投与量が多いほど再発・再投与リスクが低い傾向が示された一方、通常~高累積量の範囲では1日量を増やすことによる追加的なリスク低下は認められませんでした。4
当院では、特定の数字だけを機械的に目標とせず、改善の程度、新しいニキビが出ていない期間、副作用、検査結果、再発リスクを総合して用量と終了時期を判断します。
治療の進め方
1.初診・適応判断
ニキビの種類と重症度、これまでの治療歴、既往歴、服用中の薬、アレルギー、妊娠の可能性などを確認します。イソトレチノイン以外の治療が適している場合には、別の選択肢をご提案します。
2.治療前検査
治療に伴うリスクを確認するため、肝機能や脂質などを調べる血液検査を行います。妊娠する可能性のある方には、妊娠していないことの確認が必要です。
3.内服開始
通常は食後に服用します。用量と服用回数は、症状、体重、検査結果などに基づいて医師が指示します。自己判断で増量・減量・中断をしないでください。
4.定期診察・採血
おおむね4週間ごとに診察し、ニキビの改善度、乾燥などの副作用、服薬状況を確認します。必要に応じて採血を行い、内服量を調整します。
5.治療終了後の経過確認
治療期間は一般に数か月以上となり、当院では6か月を1クールの目安としています。必要な期間や総内服量は患者様ごとに異なります。再治療を行う場合は、診察のうえ休薬期間を設けます。
主な副作用
イソトレチノインの副作用は、比較的よく起こる乾燥症状と、頻度は高くないものの見逃してはいけない症状に分けて考えると理解しやすくなります。副作用が心配だから治療を避ける、または効果を優先して副作用を我慢するという二択ではありません。診察と検査を行い、必要に応じて用量を調整しながら治療します。
| 種類 | 主な症状・変化 | 当院での考え方 |
|---|---|---|
| 皮膚・粘膜の乾燥 | 口唇炎、皮むけ、かゆみ、鼻出血 | 保湿、外用薬、用量調整などで対応 |
| 眼の症状 | ドライアイ、コンタクトレンズの違和感 | 人工涙液、眼鏡への変更、必要時は眼科相談 |
| 血液検査値 | 肝機能値、トリグリセリド、コレステロールの変化 | 採血で確認し、程度に応じて継続・減量・休薬を判断 |
| 筋肉・関節 | 筋肉痛、関節痛、背部痛 | 運動量との関係を確認し、強い場合は評価 |
| 神経症状 | 強い頭痛、視覚異常、吐き気など | 服用を中止し、速やかな医療相談が必要になることがある |
| 精神面の変化 | 強い抑うつ、不安、気分・行動の変化 | 本人・家族から情報を得て、速やかに医療機関へ相談 |

比較的よくみられる症状
- 唇、口角、口腔内の乾燥
- 顔や手足の乾燥、皮むけ、かゆみ、赤み
- ドライアイ
- 鼻腔内の乾燥や鼻血
- 日光に対する皮膚の敏感さ
治療中は、保湿剤、リップクリーム、点眼薬、日焼け止めなどを適切に使用します。症状が強い場合は、我慢せずご相談ください。
血液検査で確認する変化
- 肝機能値の上昇
- 中性脂肪やコレステロール値の上昇
自覚症状がないまま変化することがあるため、医師の指示に従って定期的な血液検査を受けてください。
まれですが注意が必要な症状
強い頭痛、吐き気・嘔吐、視力や聴力の異常、強い腹痛、重い発疹、気分や行動の大きな変化などが現れた場合は、服用を中止して速やかに医療機関へご相談ください。
唇・皮膚の乾燥
口唇炎や皮膚の乾燥は、イソトレチノインで特によくみられる症状です。乾燥の程度は用量、季節、もともとの肌質などで異なります。治療開始時から刺激の少ない保湿剤とリップクリームを使用し、洗顔のしすぎ、スクラブ、強いピーリング成分の重ね使いを避けます。
乾燥しているからといって自己判断で大量の外用薬を追加すると、接触皮膚炎を起こすことがあります。ひび割れ、強い赤み、湿疹が生じた場合は診察時にご相談ください。
ドライアイ・コンタクトレンズ
涙液や眼表面への影響により、眼が乾く、異物感がある、コンタクトレンズを長時間装用しにくいと感じる場合があります。人工涙液の使用や眼鏡への変更で対応できることがありますが、眼痛、急な見えにくさ、夜間視力の変化などがあれば、服用を中止して速やかに医師へ相談してください。
鼻血
鼻粘膜が乾燥すると、鼻をかんだ際に血が付いたり鼻血が出やすくなったりします。強く鼻をかまないようにし、室内の加湿などを行います。出血が繰り返す、止まりにくい、量が多い場合は診察が必要です。
抜け毛
一時的な脱毛や毛髪の変化が報告されていますが、頻度は高くありません。急激に抜け毛が増えた場合、イソトレチノイン以外にも鉄欠乏、甲状腺疾患、強いストレス、発熱後の休止期脱毛などが考えられます。薬の影響と決めつけず、経過と必要な検査を検討します。
筋肉痛・関節痛と運動
筋肉痛、関節痛、背部痛などが生じる場合があります。通常の軽い運動を一律に禁止する薬ではありませんが、激しいトレーニング後に強い筋肉痛や脱力が続く場合は運動を控え、医師へ相談してください。競技者や高強度トレーニングを行う方は、治療開始前にお申し出ください。
精神症状との関係
抑うつ、不安、自傷念慮などとイソトレチノインの因果関係については、ニキビそのものが心理的負担となることも含め、研究によって評価が分かれています。「因果関係が確定していない」ことは「注意が不要」という意味ではありません。
精神疾患の既往、治療歴、現在の症状を治療前に確認します。服用後に強い落ち込み、興味や意欲の著しい低下、不眠、焦燥感、自傷を考えるなどの変化が現れた場合は、本人だけで抱え込まず、服用を中止して家族や医療機関へ直ちに相談してください。
採血では何を確認する?
イソトレチノインは、自覚症状がなくても肝機能値や脂質値が変化することがあります。そのため、治療前に基礎値を確認し、開始後も患者様のリスク、用量、前回結果に応じて検査します。
| 主な検査 | 確認する理由 |
|---|---|
| AST・ALTなど | 肝機能への影響を確認する |
| 中性脂肪 | 上昇することがあるため確認する |
| 総コレステロール等 | 脂質の変化を確認する |
| その他 | 既往歴、症状、併用薬に応じて医師が追加する |

検査頻度は全員一律ではありません。治療前、開始後または増量後、その後の安定期などに、個々のリスクに合わせて決めます。健康診断や他院の最近の検査結果が利用できることもありますので、検査項目と日付が分かる資料をご持参ください。
数値が基準範囲を少し外れただけで必ず中止になるわけではありません。変化の程度、治療前からの値、飲酒、食事、体重、ほかの薬などを確認し、再検査、減量、休薬、中止を判断します。
妊娠に関する重要な注意事項
イソトレチノインには、胎児に重大な影響を及ぼす危険性があります。妊娠中、妊娠している可能性のある方、妊娠を希望している方は服用できません。
妊娠する可能性のある女性は、治療前、治療中および治療終了後6か月間、確実な避妊が必要です。治療中に妊娠の可能性が生じた場合は、直ちに服用を中止し、速やかに当院へご連絡ください。
当院では、より慎重な安全管理として、女性は服用終了後6か月間、男性は服用終了後1か月間を避妊期間としています。女性は服用中および服用終了後6か月間、授乳と献血もできません。男性は服用中および服用終了後1か月間、献血できません。妊娠検査の時期を含む詳細は、診察時の説明と同意書をご確認ください。

ピルを飲んでいれば妊娠検査は不要?
ピルを正しく服用していても、飲み忘れ、嘔吐・下痢、相互作用などにより避妊効果が低下する可能性があります。ピルの使用だけを理由に妊娠確認を省略できるとは限りません。当院の妊娠回避手順に従い、必要な時期に妊娠検査を行います。
妊活はいつから可能?
海外の妊娠予防プログラムでは服用終了後1か月間とするものがありますが、当院ではより慎重な安全管理として、女性は服用終了後6か月間、男性は服用終了後1か月間の避妊をお願いしています。ウェブ上の異なる数字を自己判断で採用せず、当院の説明と同意書に従ってください。
男性が服用する場合
男性の服用では、妊娠する可能性のある女性と同一の管理をそのまま当てはめるものではありません。当院では服用中および服用終了後1か月間の避妊と献血禁止をお願いしています。薬を他人へ譲ってはいけません。パートナーが妊娠中または妊娠を希望している場合は、治療開始前に医師へお申し出ください。
授乳と献血
授乳中は服用できません。女性は服用中および服用終了後6か月間、授乳と献血をしないでください。男性は服用中および服用終了後1か月間、献血をしないでください。献血された血液が妊娠中の方に使用される可能性があるためです。
併用に注意が必要な薬・サプリメント
テトラサイクリン系抗菌薬やビタミンAを含む薬・サプリメントなど、イソトレチノインと併用できない、または注意が必要なものがあります。他院から処方されている薬、市販薬、サプリメントを含め、使用しているものはすべて医師にお伝えください。
テトラサイクリン系抗菌薬
ミノサイクリンやドキシサイクリンなどとの併用は、頭蓋内圧亢進症の危険を高める可能性があるため避けます。以前処方された薬を自己判断で再開しないでください。
ビタミンAサプリメント
ビタミンAを含むサプリメントを併用すると、ビタミンAに関連する副作用が強くなる可能性があります。マルチビタミン、肝油、美容サプリなどにも含まれることがあるため、成分表示をご確認ください。
プロテインや一般的なサプリメント
プロテインそのものが一律に禁止されるわけではありませんが、複数のビタミンやハーブ成分が添加されている製品があります。また、高強度の運動を伴う場合は筋肉症状との区別が必要です。商品名または成分表を診察時にお見せください。
市販薬・花粉症薬・鎮痛薬
一般的な薬でも、持病、肝機能、ほかの併用薬によって判断が変わります。「市販薬だから申告不要」ではありません。継続して使用する薬がある場合は医師または薬剤師へ確認してください。
イソトレチノイン内服中の飲酒
飲酒が直ちに一律禁止となるとは限りませんが、アルコールも肝機能や中性脂肪へ影響します。もともと肝機能値や中性脂肪が高い方、飲酒量が多い方では、治療中のリスクが高くなる可能性があります。
治療前に普段の飲酒量を正確にお伝えください。採血結果に変化がある場合は、禁酒または飲酒量の制限、再検査、薬の減量・休薬をお願いすることがあります。採血直前だけ飲酒を控えて普段の状態を隠すのではなく、安全な治療計画を立てることが大切です。
治療中の日常生活上の注意
- 医師の指示どおりに服用し、他人に薬を譲らないでください。
- 飲み忘れても、次回に2回分をまとめて服用しないでください。
- 保湿と紫外線対策を十分に行ってください。
- ビタミンAを含むサプリメントを自己判断で併用しないでください。
- 治療中および治療後の一定期間は献血をしないでください。
- ケミカルピーリング、医療脱毛、レーザー、ダーマペン、手術などを受ける前に、イソトレチノイン服用中または服用後であることを必ず担当医に伝えてください。
- 強い副作用や体調変化を感じた場合は、次回予約を待たずにご相談ください。
美容施術や外科的処置との間隔は、治療内容、出力、部位、皮膚状態などによって判断が異なります。自己判断せず、施術を受ける医療機関と当院の双方へ事前にご相談ください。
医療脱毛・レーザー・ダーマペン・ポテンツァは受けられる?
以前は、イソトレチノイン終了後は多くの美容施術や手術を一律に長期間避けるという運用が広く行われていました。現在は、すべての処置を同じ期間禁止する根拠は限定的とする考え方もあります。しかし、だからといって内服中にすべての施術を安全に受けられるわけではありません。
乾燥、皮膚炎、治療部位、使用機器、侵襲の深さ、出力、術者の経験などでリスクが変わるため、施術ごとの判断が必要です。
| 施術・処置 | 主な注意点 | 基本方針 |
|---|---|---|
| 医療脱毛 | 乾燥、刺激、熱傷、皮膚炎 | 内服量と皮膚状態を確認して個別判断 |
| IPL・色素レーザー | 光・熱による刺激 | 出力、目的、照射部位により判断 |
| ケミカルピーリング | 角層への刺激、赤み、びらん | 強い乾燥や皮膚炎があれば避ける |
| ダーマペン | 多数の穿刺による創傷、感染、色素沈着 | 原則として慎重に判断し、自己判断で受けない |
| ポテンツァ等 | 針・高周波による侵襲 | 治療モードと深さを含め慎重に判断 |
| CO2レーザー・外科処置 | 創傷治癒、瘢痕、感染 | 処置内容に応じた休薬期間を個別に設定 |
| HIFU・高周波 | 深部加熱と皮膚状態 | 乾燥や炎症、施術目的を含め個別判断 |

他院で施術を受ける場合は、イソトレチノインの用量、開始日、終了日を必ず申告してください。当院で内服していることを隠して施術を受けると、適切なリスク評価ができません。
ニキビ跡・毛穴の併用治療
イソトレチノインは、主に新しくできるニキビを抑える治療です。すでに残っている赤み、色素沈着、毛穴、凹みは、状態に応じて別の治療を組み合わせます。すべてを同時に始めるのではなく、活動性ニキビ、乾燥、内服量、施術の侵襲を確認して順序と時期を決めます。

皮脂と脂性肌
皮脂分泌が減るため、顔のべたつきが軽くなったと感じる方はいます。ただし、脂性肌だけを治療する目的で安易に使用する薬ではありません。ニキビの重症度と治療上の利益が副作用リスクを上回るかを判断します。
毛穴
皮脂量や毛穴詰まりが減ることで、毛穴が目立ちにくく感じられることがあります。一方、毛穴の見え方には皮脂だけでなく、瘢痕、たるみ、乾燥、光の反射なども関係します。すべての毛穴が閉じる、永久に小さくなると保証できる治療ではありません。毛穴の種類に応じた選択肢は、当院の毛穴治療もご覧ください。
赤いニキビ跡・色素沈着
新しい炎症を減らすことは、赤みや色素沈着が追加されるのを防ぐうえで重要です。しかし、すでに残っている赤みや色素沈着を直接消す薬ではありません。赤いニキビ跡には、状態に応じて色素レーザー(ダイレーザー)を検討します。毛穴詰まりや新しい面皰への補助治療として、サリチル酸マクロゴールピーリングを選択する場合もあります。
凹んだニキビ跡
凹んだ瘢痕をイソトレチノインだけで元に戻すことはできません。深い凹みにはCO2(炭酸ガス)フラクショナルレーザー、瘢痕の形や深さによってはサブシジョン、マイクロニードル治療などを組み合わせます。ボリューム低下や一部の凹みには、コラーゲン生成を促す注入治療であるジュベルックボリュームを検討することもあります。まず新しいニキビをコントロールし、その後に瘢痕の型と深さを診断して治療計画を立てます。
料金(税込)

| 内容 | 料金 |
|---|---|
| イソトレチノイン20mg・30日分 | 16,500円 |
| イソトレチノイン20mg・30日分(対象施術併用モニター価格) | 12,500円 |
| 採血 | 3,300円 |
| 初診料 | 3,300円 |
| 再診料 | 1,100円 |
症状と体重に応じて服用量を増やす場合は、処方量に応じた料金がかかります。健康診断や他院で行った最近の血液検査結果をご持参いただいた場合、検査項目と実施時期によっては当院での採血が不要となることがあります。
新しいニキビとニキビ跡の両方に取り組むモニター
現在、当院では、次のいずれかのニキビ跡治療を受けながら、医師の診察のもとでイソトレチノインを服用する方を対象としたモニターを募集しています。
- 赤いニキビ跡に対する色素レーザー・全顔5回セット
- 凹んだニキビ跡に対する炭酸ガスフラクショナルレーザー・全顔6回セット
対象施術のセットとイソトレチノイン治療を併用するモニターの方は、イソトレチノイン20mg・30日分を12,500円(通常16,500円)で処方します。
イソトレチノインは主に新しくできるニキビを抑える治療であり、すでにあるニキビ跡には別の治療が必要です。本モニターでは、活動性ニキビの治療とニキビ跡治療の両方に、治療計画を立てて取り組みます。
※「併用」は、内服とレーザーを必ず同じ日に行うという意味ではありません。レーザーの開始時期、照射間隔、出力は、ニキビの炎症、乾燥、内服量などを確認して医師が判断します。皮膚状態によっては、レーザーの延期、内容変更または休止をご提案することがあります。
※モニターには写真撮影、経過観察、写真使用などの条件があります。詳細は診察時にご説明します。
※表示価格は税込です。診察料、採血代、対象となるレーザー治療費は別途必要です。
※モニター募集は予告なく終了することがあります。
未承認医薬品等に関する記載
未承認医薬品等であること
イソトレチノインは、日本国内ではニキビ治療を目的とした医薬品として承認されていません。
入手経路等
当院では、トルコで製造されたイソトレチノイン製剤「アクネトレント20mg」を、国内代理店を通じて医師の判断のもと輸入し、処方しています。
国内の承認医薬品等の有無
同一成分・同一目的の国内承認医薬品はありません。ニキビに対しては、症状に応じて国内承認の外用薬や内服薬などを使用する治療があります。
諸外国における安全性等に関する情報
イソトレチノインは海外で重症ニキビなどの治療に使用されています。重大なリスクとして胎児への影響があり、妊娠を避けるための厳格な管理が必要です。そのほか、皮膚・粘膜の乾燥、肝機能値や脂質値の変化などが報告されています。
医薬品副作用被害救済制度について
国内未承認薬の使用によって健康被害が生じた場合、医薬品副作用被害救済制度の対象外となることがあります。
よくある質問
イソトレチノインは、どのくらいで効き始めますか?
個人差はありますが、1~2か月ほどで皮脂や新しいニキビの減少を感じる方がいます。開始初期には一時的に悪化したように見える場合があります。
何か月飲めばよいですか?
当院では6か月を1クールの目安としていますが、必要な期間は症状、体重、内服量、改善の程度、副作用などによって異なります。診察を受けながら治療計画を調整します。
ニキビが良くなったら、すぐにやめてもよいですか?
自己判断で中止すると、十分な効果が得られなかったり、再発しやすくなったりする可能性があります。中止や減量を希望する場合は、診察時にご相談ください。
治療後に再発することはありますか?
再発の可能性はあります。年齢、体質、ホルモン、重症度、治療期間、総内服量などによって異なります。再発時には、外用治療などで管理できる場合と、再度イソトレチノインを検討する場合があります。
乾燥は必ず起こりますか?
程度には個人差がありますが、唇や皮膚の乾燥は比較的よくみられます。治療開始時から保湿剤やリップクリームを準備し、乾燥が強い場合はご相談ください。
血液検査は必要ですか?
必要です。肝機能や脂質などは自覚症状がなくても変化する可能性があるため、治療前および治療中に医師が必要と判断した時期に検査します。
保険は使えますか?
イソトレチノインによるニキビ治療は、日本では保険適用外の自由診療です。
未成年でも服用できますか?
年齢だけでなく、成長段階、症状、体重などを確認して判断します。未成年の方には保護者の同意をお願いしています。初診時は、できる限り保護者の方と一緒にご来院ください。
ニキビ跡も治りますか?
新しいニキビを抑えることで、今後ニキビ跡が増えるリスクを減らすことは期待できますが、すでにある凹みや色素沈着を直接治す薬ではありません。ニキビが落ち着いた後、肌状態に応じたニキビ跡治療をご提案します。
10mgと20mgでは、どちらがよいですか?
一律にどちらが優れているとはいえません。体重、ニキビの重症度、副作用、これまでの治療歴によって適切な量が異なります。少量から開始して経過を見ながら調整する場合もあります。
体重によって飲む量は変わりますか?
体重は用量を考える重要な要素の一つです。ただし、体重だけで機械的に決めるのではなく、症状、検査値、乾燥なども合わせて判断します。
食前と食後のどちらに飲みますか?
食事による吸収への影響は製剤によって異なる可能性があります。当院から処方された製剤について、医師が指示したタイミングで服用してください。
飲み忘れた場合はどうすればよいですか?
次の服用時間が近い場合は、忘れた分を飛ばしてください。2回分をまとめて服用してはいけません。飲み忘れが多い場合は、服用時間を決めるなどの対策をご相談ください。
間違えて2回分飲んでしまいました
自己判断で次の服用を続けず、服用量、時刻、症状を確認して当院または医療機関へ連絡してください。強い頭痛、嘔吐、視覚異常などがある場合は速やかな受診が必要です。
内服を途中で休んでもよいですか?
体調不良、手術、ほかの薬の開始などで休薬が必要になる場合があります。自己判断で再開せず、休薬理由と期間を医師へ伝えてください。
低用量でも効果はありますか?
低用量で改善する方もいますが、効果が現れるまでの期間、再発、副作用のバランスは個人差があります。「副作用が少ないから少量が必ず最善」とは限りません。
初期悪化はいつまで続きますか?
生じる時期や期間には個人差があります。開始後数週間にみられることがありますが、強い悪化をすべて正常経過として放置してはいけません。痛みの強い結節や急激な悪化は早めにご相談ください。
好転反応と考えて我慢した方がよいですか?
「好転反応」という言葉だけで症状を片付けるのは適切ではありません。初期悪化、刺激性皮膚炎、薬疹、別の疾患などを区別する必要があります。
皮脂は永久に減りますか?
治療終了後も皮脂が以前より少ない状態が続く方はいますが、永久的な効果を保証するものではありません。年齢やホルモンなどによって皮脂量は変化します。
毛穴は完全になくなりますか?
毛穴そのものをなくすことはできません。皮脂と詰まりが減ることで目立ちにくくなる可能性はありますが、瘢痕性の毛穴やたるみ毛穴には別の治療が必要です。
背中や胸のニキビにも効きますか?
顔だけでなく、背中や胸の重症・難治性ニキビに検討することがあります。体幹のニキビは毛包炎など別の病気との鑑別が必要です。
生理に影響しますか?
月経の変化があれば、妊娠の可能性、体重変化、ストレス、ホルモン疾患なども含めて確認します。月経が遅れた場合は、自己判断せず妊娠検査を行い当院へ連絡してください。
ピルと一緒に飲めますか?
避妊やニキビ治療の目的でピルを併用する場合がありますが、種類、既往歴、血栓症リスクなどの確認が必要です。処方元の医師にもイソトレチノインを服用することを伝えてください。
妊娠に気づかず飲んでしまった場合は?
直ちに服用を中止し、処方医へ連絡してください。自分だけで判断せず、産婦人科を含む専門的な相談が必要です。
男性が服用すると将来の子どもに影響しますか?
男性の服用に関する管理は、妊娠する可能性のある女性と同一ではありません。当院では服用中および終了後1か月間の避妊と献血禁止をお願いしています。妊娠を希望するパートナーがいる場合は治療前にご相談ください。
お酒は完全に禁止ですか?
一律に断定できませんが、飲酒は肝機能や中性脂肪に影響します。飲酒習慣と採血結果を踏まえ、制限または禁酒をお願いすることがあります。
ビタミンCや亜鉛のサプリは飲めますか?
成分量やほかの配合成分によって判断します。特にビタミンAを含む複合サプリに注意が必要です。商品名や成分表をお持ちください。
プロテインを飲みながら筋トレできますか?
一律に禁止ではありません。ただし、添加成分、運動強度、筋肉痛、肝機能などを確認する必要があります。強い筋肉痛や脱力があれば運動を中止してご相談ください。
花粉症の薬や痛み止めを飲めますか?
薬の種類、持病、使用頻度によります。市販薬を含め、継続して使用する場合は医師または薬剤師に確認してください。
日焼けしやすくなりますか?
皮膚が乾燥して刺激に敏感になるため、日焼け後の赤みや炎症が強くなる可能性があります。低刺激の日焼け止め、帽子、日傘などを併用してください。
サウナや岩盤浴に行ってもよいですか?
発汗と熱で乾燥、赤み、かゆみが悪化することがあります。皮膚症状が強い時期は控え、利用する場合も短時間にして十分に保湿してください。
ワックス脱毛はできますか?
角層が剥がれ、びらんや色素沈着を起こす可能性があるため避けるのが安全です。家庭用の除毛方法についても事前にご相談ください。
医療脱毛はできますか?
一律の可否ではなく、内服量、乾燥、照射部位、機器、出力で判断します。他院で受ける場合は必ず服用を申告してください。
ピーリングやレチノール化粧品は使えますか?
内服中は乾燥と刺激が強くなりやすいため、ピーリング剤、スクラブ、高濃度レチノールなどを自己判断で追加しないでください。現在使用している化粧品を診察時に確認します。
ダーマペンやポテンツァはできますか?
穿刺や高周波を伴うため、内服量、皮膚状態、施術モードを含めて慎重に判断します。予約前に処方医と施術医の双方へ確認してください。
抜歯や手術の予定があります
処置の大きさ、部位、緊急性によって対応が異なります。手術日が決まる前に、処方医と手術担当医へ服用中であることを伝えてください。
ワクチン接種はできますか?
ワクチンの種類、接種理由、体調、併用薬によって判断します。一律に自己判断せず、接種を担当する医療機関と当院へ事前にご相談ください。
風邪や発熱時も飲み続けますか?
軽い症状で継続できる場合もありますが、脱水、食事摂取不良、ほかの薬の使用がある場合は判断が変わります。強い症状があれば休薬の要否をお問い合わせください。
他院からイソトレチノインを切り替えられますか?
使用製剤、用量、開始日、累積量、採血結果、副作用を確認して判断します。薬の箱や処方内容、直近の検査結果をご持参ください。
オンライン診療で処方してもらえますか?
当院では現在、イソトレチノインのオンライン診療・オンライン処方には対応していません。診察、妊娠確認、採血、副作用への対応が必要なため、対面で診療します。
個人輸入してもよいですか?
イソトレチノインは重大な注意事項があり、厚生労働省も個人輸入に際して特に注意を要する医薬品として扱っています。品質や真贋の問題に加え、診察、妊娠管理、採血、副作用対応が行われない危険があるため、自己判断での購入・服用は勧めません。
医療情報の編集方針
編集責任:いしだ皮フ科・美容皮膚科
保険診療の皮膚科診療を基盤に、ニキビの診断、内服治療、副作用管理、ニキビ跡治療まで一貫して診療しています。
個人名、顔写真、個人の資格・所属学会は本ページには掲載せず、医療機関として編集・更新します。公開日と最終更新日を明記し、医学情報や院内運用に変更があった場合は内容を見直します。
参考資料
本文の医学的内容は、公開時点の公的資料・診療ガイドライン・医薬品情報を確認して更新します。
- American
Academy of Dermatology:2024年ニキビ診療ガイドラインの概要 - American
Academy of
Dermatology:イソトレチノインの効果・安全性・スキンケア - U.S.
Food and Drug Administration:Isotretinoin Capsule Information - U.S.
FDA:ABSORICA/ABSORICA LD処方情報 - 厚生労働省:医薬品等の輸入確認に関する2025年資料
- Amichai B, Shemer A, Grunwald MH. Low-dose isotretinoin in the
treatment of acne vulgaris. J Am Acad Dermatol.
2006;54(4):644-646. doi:10.1016/j.jaad.2005.11.1061 - White GM, Chen W, Yao J, Wolde-Tsadik G. Recurrence rates after the
first course of isotretinoin. Arch Dermatol.
1998;134(3):376-378. PubMed - Layton AM, Knaggs H, Taylor J, Cunliffe WJ. Isotretinoin for acne
vulgaris—10 years later: a safe and successful treatment. Br J
Dermatol. 1993;129(3):292-296. PubMed - Lai J, Barbieri JS, Mostaghimi A, et al. Acne Relapse and
Isotretinoin Retrial in Patients With Acne. JAMA Dermatol.
2025;161(4):366-372. doi:10.1001/jamadermatol.2024.5416
ご予約・ご相談
繰り返すニキビや治りにくいニキビでお悩みの方は、まずは皮膚科医にご相談ください。イソトレチノインだけを前提にするのではなく、現在の症状とこれまでの治療を確認し、一人ひとりに適した治療方法をご提案します。
当院は、JR東大宮駅東口から徒歩1分です。大宮・さいたま市をはじめ、埼玉県内や東京都内からもご来院いただいています。